会社法第472条第1項の規定による解散

休眠会社みなし解散

最近この様な相談を多く頂戴しております。
「会社が解散してしまっているようだ!」
と。
平成30年10月時点において、12年以上登記をしていない株式会社については法務局より本店宛通知書が発送なされ、平成30年12月11日迄に当該通知に対し何らの返答もせず、又、本来登記すべき事項を登記しなかった法人は「平成30年12月12日会社法第472条第1項の規定により解散」された旨の登記が法務局の職権にて同日付なされました。

しかして、実際に会社としては動いている。
取引先との関係でも、(融資を受けているような法人であれば)金融機関との関係でも、非常にまずい状態ですね。

本来会社は登記された事項に変更が生じた場合、2週間以内に登記をしなければならない旨会社法に規定されております。

解散から3年以内に会社継続の決議をし、登記する事により会社として継続して行く事は出来ますので御社の登記簿謄本、一度確認してみて下さい。

【追記_2020年2月21日】

小職にて最近取り扱わせて頂いた法人様は、会社継続と同時に本店移転をする等、何とも悩ましい登記でした。当該事案を基に、登記をする際に注意すべき事項を下記に何点か纏めます。

1.会社継続する際には法定清算人の登記を同時に申請しなければなりませんが、みなし解散時の代表取締役の住所が代表清算人に就任する時点において変わっておりました。こちらは、特に何らの登記をする必要も無く(住所の変更登記をしようにも既に解散している法人の代表取締役の住所の変更登記をする事等出来ないので当然と言えば当然なのかもしれませんが)新たな住所での清算人及び代表清算人の就任にて、新たな住所での印鑑証明書を添付して登記する事が出来ました。

2.清算人、代表清算人の就任登記の際には印鑑(改印)届書を添付する必要がある為、上記印鑑証明書と言う話が出て来ます。

3.会社継続及び清算人、代表清算人の就任登記をする際には定款を添付しなければなりません(定款謄本があれば写しを添付した上で当法人の定款に相違無い旨の奥書をした上で法人代表印を捺印すれば問題ありません)が、これは原則定款に清算人に関する定めの無い事を明らかにする為に添付します。

4.みなし解散前の法人において代表取締役であった者が再度取締役兼代表取締役に選任なされる場合においても代表取締役選任機関である株主総会又は取締役の互選に関する書類については法務局に既に登録済の法人代表印を捺印する事により就任する個人の実印を押印しないで済む旨の商業登記規則第61条第6項の規定は適用されません。

5.会社継続と同時に清算人、代表清算人就任の登記をし、さらに取締役、代表取締役の選任の登記をしなければならない為、代表取締役としての資格において印鑑(改印)届書を添付しなければなりません。

6.小職取り扱わせて頂いた法人様については更に登記の管轄をまたぐ(管轄外の)本店移転登記もしなければならなかった為、さらに1通、新管轄分での印鑑(改印)届書を添付しなければなりませんでした。

 

ざっと思いつく限りにおいて挙げさせて頂きましたが、本業そっちのけにてかなりの時間を費やす事が出来るのでなければ、流石に、一般の方がご自身にて出来る登記ではないかもしれません。

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